生保の契約 道内は妻に手薄? 件数・金額全国最低 世帯主とは対照的

 生命保険文化センターが三十日までにまとめた本年度の「生命保険に関する全国実態調査」によると、道内では生命保険の契約が世帯主に偏る傾向が強く、妻の生命保険の加入件数や死亡保障保険金、疾病入院給付金の額がいずれも全国で最も低いことが分かった。

 同調査は三年ごとで、今回は二〇○六年四−六月に二人以上の世帯を対象に実施。全国四千八十八世帯が回答した。

 道内では、民間保険会社のほか郵便局の簡易保険、農協の生命共済を含む生命保険に妻(男性世帯主の配偶者)が加入している件数は平均一・四件(個人年金保険を含む)で、全国平均の一・七件を下回って全国十五地域で最低だった。

 妻の生命保険金額も、普通死亡保険金が七百八十九万円(全国平均九百九十一万円)で、道内の次に低い「大阪を除く京阪神圏」よりさらに約八十万円も低かった。病気入院が一定期間以上続いた場合に支払われる疾病入院給付金も平均七十五万六千円(同八十四万五千円)で全国最低。

 これとは対照的に、世帯主の場合は、普通死亡保険金が二千万円台に乗り、千万円台だった中国、東北、北陸など七地域を上回った。疾病入院給付金も全国平均より高かった。

 しかし、手厚い保険契約を結んでいるにもかかわらず、世帯主に万一のことがあった場合の経済的な備えに対する不安も強い。

 「少し不安」と「非常に不安」を合わせた「不安」が82・7%に上り、平均を約一〇ポイントも上回って全国で最も高かった。妻の保険が手薄な背景には、このような不安感から保険料支出を世帯主に集中させているという事情もありそうだ。

北海道新聞 - 2006年12月30日